2011年10月13日木曜日

エネルギー分野のVC市況- Bear vs Bull

 
 GE CapitalVC部門のMDであるKevin SkillernStanford GSB 98年卒)から、最近のエネルギー分野のVC市況に関する興味深い話を聞いたので、共有したい。

 


  • エネルギー関連投資に関するVCの見方は弱気(Bear)、強気(Bull)の正反対の見方が存在している
                
 

    • Bearishな見方の背景
      • 株式市場におけるエネルギー関連株の(インデックスより)大きな下落
      • Solyndraの倒産(過去最大のVC支援のStart-upの倒産)(参考:ロイター記事
      • VCによるエネルギー関係投資の成功例の少なさ
      • 低いNatural Gas(Cleanest fossil fuel)の価格
        • Shale Gas開発によるNatural Gas供給の増加
      • 限定的な投下可能資金
      • 政策の動き・タイミングの不確実性
    • Bullishな見方の背景
      • 長期的な問題解決の必要性の存在
        • オイル価格の上昇、中国による大量のエネルギー消費、福島の事故後の日本/ドイツにおける脱原発の動き
      • エネルギーがVC投資の最大のセグメント(15-20%)
      • Exitは少ないものの、事業自体は成長/成熟化。勝者の出現
      • いわゆる「狭義のクリーンテック(=再生可能エネルギー)」以外のテクノロジーの存在(オイル/Natural Gasに関するinnovation等)
      • 米国が未だにイノベーションの中心

  • WSの記事でもあったように、ソフトウェアが世界を食っている。その傾向はエネルギー業界でも存在しており、スマートメーターとソフトウェアをうまく用いたビジネスには大きな可能性があると思う。 

  • 例えば、Opowerは、家計の月々の電力消費量を集計し、その分析レポートを送付するという比較的単純なサービスを提供している今注目のStart-upだが、このような単純な電力の「見える化」だけで、大きな電気代削減の余地があることが結果で示されている。具体的には、家計は、単純に結果を見ただけで、平均して2-3%電力消費量を減らすという結果が出ている。

  • 家計に増して、電力消費量の削減余地があるのが、ビルだ。適切なシステムを導入すれば、ビルの電力消費量は20%近く減少できるという試算もある。

          


  先日、Stanford GSB出身の起業家と話したが、特にエネルギー分野における、VCからの資金調達の市況は、最近は芳しくないようだ。

 IT業界が「ビジネスモデル」のイノベーションにより成功できるのとは対照的に、エネルギー分野は(OpowerのようなIT会社を除き)「テクノロジー」のイノベーションが必要であり 、よって、投下資本も必然的に大きくなる。その結果、VCとしては手が出しにくいというのは十分に理解しているが、適切なRisk Capitalが提供され、それがエネルギー分野のイノベーションに繋がることを願ってやまない。


   <参考:Opowerによる月次レポートの実例>

     

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