2012年1月29日日曜日

日本の一市民として

以前のエントリーでも触れたことがあるが、僕は、現在スタンフォード大学で、経営学修士(MBA)と地球科学部(School of Earth Sciences)の理学修士(MS:Master of Science)のJoint Degreeのコースに在学している。

「なぜ、環境科学のMSを取るの?」と聞かれることがよくある。

僕は、大学は法学部出身で、仕事上も、エネルギー業界関連のM&Aを弁護士として経験したことがある程度しか、エネルギー/環境問題との特別な接点はなかった。当初、この学位を取ろうとしたのは、①シリコンバレーで流行っているクリーンテック(環境問題の解決に寄与する技術)に関する投資/起業に興味があったこと、そして、②クリーンテック分野では、科学/技術的な知識のないMBA生はほとんど評価されないことをスタンフォードに来た直後のベンチャー・キャピタリストとの会話で痛感したこと、による。

周知のとおり、現在の化石燃料(Fossil Fuel)に依存したエネルギー・システムは、化石燃料が有限の資源である以上、長期的には持続可能ではないことは明確である。それ自体は、以前から指摘されてきたことではあるが。地球温暖化問題や、エネルギーの自給(中東等政治的に不安定な地域への依存の減少)の観点から、エネルギー・システム転換の重要性は、近年声高に叫ばれているところだ。さらに、最近は、テクノロジーの進歩により再生エネルギーの価格競争力が高まっており、政府からの補助金なしであっても、再生エネルギーが既存のエネルギーよりも価格競争力を有するという事態が生じることも近いうちに十分に想定される。

ビジネスの観点からは、エネルギー・システムの転換/効率化の要請は、多くの業界(発電機器(風車、ソーラー等)、自動車(電気自動車等)、電気機器(エコ家電等)、素材、建設等)にビジネス・チャンスを提供するし、株式投資家の視点に立っても、そういった流れを先読みできれば、超過収益獲得の源泉となる。

僕の場合は、以上のビジネス上の実用性に加えて、現在エネルギー資源のほぼ全てを輸入に頼っている日本の一市民として、このような大きな変化の流れを、ビジネス・科学・規制・政策等の総合的な観点から理解したいという思いが、最終的に、多大な労力を有するこの学位を取ろうとした最終的な決め手となった。去年の大震災、Fukushimaの原子力発電所事故、そしてその後の迷走するエネルギー政策に関する議論が、僕の意思決定に大きな影響を与えたことは言うまでもない。

MSの取得の要件を満たすため、ビジネス・スクール(Graduate School of Business)以外の授業の単位を数多く取得する必要があり、そのため、今学期は、授業の半分以上をビジネス・スクール以外の学部で受講している。

それらの授業についても、折を見て本ブログでも紹介したい。



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